令和元年度日本指圧学会 総会、夏季学術講習会 ・ 実技研修会が開催されました

 令和元年7月21日、明治大学和泉総合体育館の講義室並びにスポーツルームC(柔道場)にて、日本指圧学会総会、日本指圧学会夏季学術大会・実技講習会が開催された。

 総会では平成30年度の日本指圧学会決算報告と令和元年度の予算案が提示され、会員からの承認を受けた。また、3年間の任期満了に伴う日本指圧学会理事の改選が併せて行われた。

 午前の学術大会では、硴田雅子氏(千指圧治療院 院長)による「月経前症候群(PMS)と月経痛に対する指圧の効果について」、宮下雅俊氏(世田谷指圧治療院てのひら 院長)による「指圧による姿勢矯正の基礎研究」の発表が行われ、活発な議論が成された。

 午後の実技講習会では、硴田雅子氏(千指圧治療院 院長)による「VDT症候群に対する頭部・上肢帯の指圧治療」、松本健二氏(指圧まつもと 院長)による「運動操作による関節包内運動の調整方法」が行われ、技術の習得に励んだ。

 次回、日本指圧学会冬季学術大会・実技講習会が令和元年12月15日に開催予定である。

月経前症候群(PMS)と月経痛に対する指圧の効果について

月経前症候群(PMS)と月経痛に対する指圧の効果について

指圧による姿勢矯正の基礎研究

指圧による姿勢矯正の基礎研究

運動操作による関節包内運動の調整方法

運動操作による関節包内運動の調整方法


令和元年度 日本指圧学会 総会・夏季学術講習会・実技研修会の開催について

 来る令和元年7月21日(日)に、日本指圧学会 総会・夏季学術講習会・実技研修会が開催されます。会員の皆様は勿論、会員外の方々、学生の方々にも当日会員の制度がありますので、是非多数ご参加くださいますよう、ご案内申し上げます。

【日時】 令和元年7月21日(日) 10:00〜16:30
   9:30〜受付開始
  10:00 総会・学術講習
  13:00 実技講習
  16:30 閉会

【学術講習会場】
:明治大学和泉総合体育館 講義室
【実技講習会場】
:明治大学和泉総合体育館 スポーツルームC(柔道場)

 


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【学術講習】

・月経前症候群(PMS)と月経痛に対する指圧の効果について

千指圧治療院 院長 硴田 雅子

・指圧による姿勢矯正の基礎研究

株式会社日本指圧研究所 代表取締役
世田谷指圧治療院てのひら 院長 宮下 雅俊

【実技講習会】※会場に更衣室もございます。

・VDT症候群に対する頭部・上肢帯の指圧治療

千指圧治療院 院長 硴田 雅子

・運動操作による関節包内運動の調整方法

指圧まつもと 院長 松本 健二

【入会資格】

  •  正会員 :あん摩マッサージ指圧師、若しくは医療従事者で正会員の推薦があり、役員会にて承認されたもの。
  •  学生会員:あん摩マッサージ指圧師養成施設に学籍を有するもので正会員の推薦があったもの。
  •  賛助会員:この学会の目的に賛同し、事業を援助する個人または団体。

【年会費】
 年2回の学術大会並びに、年3回の実技講習会に参加できます。また学会誌が送付されます。

  •  正会員 :¥10,000
  •  学生会員:¥5,000
  •  賛助会員:一口¥20,000

【当日会員】
 当日のみの単回参加。

  •  学生  :¥2,000
  •  一般  :¥3,000

平成30年度 日本指圧学会春季学術大会・実技講習会が開催されました

 平成31年3月24日、明治大学和泉総合体育館の講義室並びにスポーツルームC(柔道場)にて、日本指圧学会春季学術大会/実技講習会が開催された。午前中に学術講習会、午後に実技講習会の2部構成で行われた。

 学術講習会は、宮下雅俊氏(世田谷指圧治療院てのひら 院長)による、「指圧による産後の骨盤調整」、徳元大輔氏(きりん堂指圧治療院 院長)による、「多嚢胞性卵巣の症状に対しての指圧治療の効果」、新田英輔氏(指圧Livin 院長)による、「湿疹に対する指圧治療」の3題が発表された。いずれも参加者の関心が高く、活発な議論が成された。

 実技講習会は、宮下雅俊氏(世田谷指圧治療院てのひら 院長)による、「基本指圧の応用 掌圧を応用した各種治療法」と、井上寿男氏(いのうえ指圧 院長)による、「聞き方、伝え方と腹部指圧」の2題が行われた。いずれも臨床に直結する技術であり、参加者揃って習得に励んだ。

 次回の日本指圧学会総会・夏季学術大会/実技講習会は、令和元年(平成31年)7月21日に開催予定である。


平成30年度日本指圧学会 春季学術講習会 ・ 実技研修会の開催について

 来る平成31年3月24日(日)に、日本指圧学会 春季学術講習会 ・ 実技研修会が開催されます。会員の皆様は勿論、会員外の方々、学生の方々にも当日会員の制度がありますので、是非多数ご参加くださいますよう、ご案内申し上げます。

【日時】 平成31年3月24日(日) 10:00〜16:30
   9:30〜受付開始
  10:00 学術講習
  13:00 実技講習
  16:30 閉会

【学術講習会場】
:明治大学和泉総合体育館 講義室
【実技講習会場】
:明治大学和泉総合体育館 スポーツルームC(柔道場)

 


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【学術講習】

・指圧による産後の骨盤調整

世田谷指圧治療院てのひら 院長 宮下 雅俊

・多嚢胞性卵巣の症状に対しての指圧治療の効果

きりん堂指圧治療院 院長 徳元 大輔

・湿疹に対する指圧治療

指圧Livin 院長 新田 英輔

【実技講習会】※会場に更衣室もございます。

・基本指圧の応用 掌圧を応用した各種治療法

世田谷指圧治療院てのひら 院長 宮下 雅俊

・聞き方、伝え方と腹部指圧

いのうえ指圧 院長 井上 寿男

【入会資格】

  •  正会員 :あん摩マッサージ指圧師、若しくは医療従事者で正会員の推薦があり、役員会にて承認されたもの。
  •  学生会員:あん摩マッサージ指圧師養成施設に学籍を有するもので正会員の推薦があったもの。
  •  賛助会員:この学会の目的に賛同し、事業を援助する個人または団体。

【年会費】
 年2回の学術大会並びに、年3回の実技講習会に参加できます。また学会誌が送付されます。

  •  正会員 :¥10,000
  •  学生会員:¥5,000
  •  賛助会員:一口¥20,000

【当日会員】
 当日のみの単回参加。

  •  学生  :¥2,000
  •  一般  :¥3,000

平成30年度日本指圧学会 冬季学術講習会 ・ 実技研修会の開催について

 来る平成30年12月16日(日)に、日本指圧学会 冬季学術講習会 ・ 実技研修会が開催されます。会員の皆様は勿論、会員外の方々、学生の方々にも当日会員の制度がありますので、是非多数ご参加くださいますよう、ご案内申し上げます。

【日時】 平成30年12月16日(日) 10:00〜16:30
   9:30〜受付開始
  10:00 学術講習
  13:00 実技講習
  16:30 閉会

【学術講習会場】
:明治大学和泉総合体育館 講義室
【実技講習会場】
:明治大学和泉総合体育館 スポーツルームC(柔道場)

 


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【学術講習】

・飛蚊症に対する指圧の治療効果

世田谷指圧治療院てのひら 院長 宮下 雅俊

・オリエンタリズムから読む指圧研究の壁

明治大学体力トレーナー 衞藤 友親

【実技講習会】※会場に更衣室もございます。

・身体軸の構造と、運動操作による調整法

きりん堂指圧治療院 院長 徳元 大輔

・腹部指圧と前頸部指圧、圧の変化と治療効果

いのうえ指圧 院長 井上 寿男

【入会資格】

  •  正会員 :あん摩マッサージ指圧師、若しくは医療従事者で正会員の推薦があり、役員会にて承認されたもの。
  •  学生会員:あん摩マッサージ指圧師養成施設に学籍を有するもので正会員の推薦があったもの。
  •  賛助会員:この学会の目的に賛同し、事業を援助する個人または団体。

【年会費】
 年2回の学術大会並びに、年3回の実技講習会に参加できます。また学会誌が送付されます。

  •  正会員 :¥10,000
  •  学生会員:¥5,000
  •  賛助会員:一口¥20,000

【当日会員】
 当日のみの単回参加。

  •  学生  :¥2,000
  •  一般  :¥3,000
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平成30年度日本指圧学会 夏季学術講習会 ・ 実技研修会が開催されました

 平成30年7月22日、明治大学和泉総合体育館の講義室並びにスポーツルームC(柔道場)にて、日本指圧学会夏季学術講習会・実技研修会が開催された。

 内容は、午前中に学術講習、午後に実技研修という2部構成であった。

 学術講習は、「臨床でのリスク管理」についてのシンポジウムとして、 宮下雅俊氏(世田谷指圧治療院てのひら代々木駅前店 院長)による「初診患者で緊急での治療を行うときのリスクを回避する、問診、望診、切診の診察法」、中盛祐貴子氏(祐泉指圧治療院 院長)による「前立腺がんに伴う圧迫骨折とリスク管理」が行われた。いずれのテーマも臨床の場で遭遇しうる事象であり、活発に議論が成された。

 実技研修は、午前のシンポジウムを踏まえて、宮下雅俊氏(世田谷指圧治療院てのひら代々木駅前店 院長)による「診断即治療 望診・切診による指圧実技」と、中盛祐貴子氏(祐泉指圧治療院 院長)による「圧迫骨折の臨床的アプローチとケア」が行われ、参加者が習得に励んだ。

 次回の日本指圧学会冬季学術講習会は平成30年12月16日に開催予定である。


平成30年度日本指圧学会 夏季学術講習会 ・ 実技研修会の開催について

 来る平成30年7月22日(日)に、日本指圧学会 夏季学術講習会 ・ 実技研修会が開催されます。会員の皆様は勿論、会員外の方々、学生の方々にも当日会員の制度がありますので、是非多数ご参加くださいますよう、ご案内申し上げます。

【日時】 平成30年7月22日(日) 10:00〜16:30
   9:30〜受付開始
  10:00 学術講習
  13:00 実技講習
  16:30 閉会

【学術講習会場】
:明治大学和泉総合体育館 講義室
【実技講習会場】
:明治大学和泉総合体育館 スポーツルームC(柔道場)

 


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【学術講習】

シンポジウム 「臨床でのリスク管理」

・「診断即治療」 望診・切診による診断法実技

世田谷指圧治療院てのひら 院長 宮下 雅俊

・前立腺がんに伴う圧迫骨折とリスク管理

祐泉指圧治療院 院長 中盛 祐貴子

【実技講習会】※会場に更衣室もございます。

・初診患者で緊急での治療を行うときのリスクを回避する、問診、望診、切診の診断法

世田谷指圧治療院てのひら 院長 宮下 雅俊

・圧迫骨折の臨床的アプローチとケア

祐泉指圧治療院 院長 中盛 祐貴子

【入会資格】

  •  正会員 :あん摩マッサージ指圧師、若しくは医療従事者で正会員の推薦があり、役員会にて承認されたもの。
  •  学生会員:あん摩マッサージ指圧師養成施設に学籍を有するもので正会員の推薦があったもの。
  •  賛助会員:この学会の目的に賛同し、事業を援助する個人または団体。

【年会費】
 年2回の学術大会並びに、年3回の実技講習会に参加できます。また学会誌が送付されます。

  •  正会員 :¥10,000
  •  学生会員:¥5,000
  •  賛助会員:一口¥20,000

【当日会員】
 当日のみの単回参加。

  •  学生  :¥2,000
  •  一般  :¥3,000
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平成30年度日本指圧学会 総会・春季学術講習会 ・ 実技研修会が開催されました

 平成30年3月25日、明治大学和泉総合体育館の講義室並びにスポーツルームC(柔道場)にて、日本指圧学会総会、日本指圧学会春季学術大会・実技講習会が開催された。

 総会では平成29年度の日本指圧学会会計報告と事業報告、平成30年度の予算案と事業計画が提示され、いずれも会員からの承認を受けた。

 春季学術大会・実技講習会は午前と午後の2部構成でおこなわれた。午前の部では、学術講習会として、作田早苗氏(りんでんマニピ指圧治療院 院長)による、「80代女性 開腹手術後の円背矯正」、岡本京子氏(柿の木のある指圧治療院 院長)による、「全身指圧操作法による肩関節可動域改善の1症例」、宮下雅俊氏(世田谷指圧治療院てのひら 院長)による、「サッカー選手が腰椎分離症と診断されたケースに対する指圧治療」という3題の症例報告が行われた。いずれの報告においても、発表後の質疑応答において参加者との活発な議論が成された。

 午後の部では、実技講習会として、金子泰隆氏(日本指圧専門学校 専任教員)による、「腰痛症のパターンと治療手技」、井上寿男氏(いのうえ指圧 院長)による、「背部掌圧による全身操作」が行われた。いずれの講習も臨床に直接応用できるものであり、参加者全員が熱心に取り組んでいた。

 次回の日本指圧学会夏季学術大会・実技講習会は、平成30年7月22日に開催予定である。

「80代女性 開腹手術後の円背矯正」

「80代女性 開腹手術後の円背矯正」

「全身指圧操作法による肩関節可動域改善の1症例」

「全身指圧操作法による肩関節可動域改善の1症例」

「サッカー選手が腰椎分離症と診断されたケースに対する指圧治療」

「サッカー選手が腰椎分離症と診断されたケースに対する指圧治療」

「腰痛症のパターンと治療手技」

「腰痛症のパターンと治療手技」

「背部掌圧による全身操作」

「背部掌圧による全身操作」

参加者記念撮影

参加者記念撮影


平成30年度日本指圧学会 総会・春季学術講習会 ・ 実技研修会の開催について

 来る平成30年3月25日(日)に、日本指圧学会 総会・春季学術講習会 ・ 実技研修会が開催されます。会員の皆様は勿論、会員外の方々、学生の方々にも当日会員の制度がありますので、是非多数ご参加くださいますよう、ご案内申し上げます。

【日時】 平成30年3月25日(日) 10:00〜16:30
   9:30〜受付開始
  10:00 総会
  10:30 学術発表
  13:00 実技講習
  16:30 閉会

【学術発表会場】
:明治大学和泉総合体育館 講義室
【実技講習会場】
:明治大学和泉総合体育館 スポーツルームC(柔道場)

 


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【学術発表】

・80代女性 開腹手術後の円背矯正

りんでんマニピ指圧治療院 院長 作田 早苗

・全身指圧操作法による肩関節可動域改善の1症例

柿の木のある指圧治療院 院長 岡本 京子

・サッカー選手が腰椎分離症と診断されたケースに対する指圧治療

世田谷指圧治療院てのひら 院長 宮下 雅俊

【実技講習会】

・腰痛症のパターンと治療手技

日本指圧専門学校 専任教員 金子 泰隆

・背部掌圧による全身操作

いのうえ指圧 院長 井上 寿男

【入会資格】

  •  正会員 :あん摩マッサージ指圧師、若しくは医療従事者で正会員の推薦があり、役員会にて承認されたもの。
  •  学生会員:あん摩マッサージ指圧師養成施設に学籍を有するもので正会員の推薦があったもの。
  •  賛助会員:この学会の目的に賛同し、事業を援助する個人または団体。

【年会費】
 年2回の学術大会並びに、年3回の実技講習会に参加できます。また学会誌が送付されます。

  •  正会員 :¥10,000
  •  学生会員:¥5,000
  •  賛助会員:一口¥20,000

【当日会員】
 当日のみの単回参加。

  •  学生  :¥2,000
  •  一般  :¥3,000
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成人女性における腹部指圧の生理的・心理的効果:菅谷 愛

菅谷 愛
日本指圧専門学校 指圧科

Physiological and Psychological Effects of Abdominal Shiatsu Treatment for Adult Female

Ai Sugaya

 

Abstract : This report studies the physiological and psychological effects of abdominal shiatsu treatment (20 points) on an adult female. Salivary amylase and circulatory dynamics (blood pressure and pulse rate) were used as indices for physiological evaluation. A subjective symptom questionnaire prepared by the Working Group for Occupational Fatigue was used as an index for psychological evaluation. No physiological or psychological changes due to shiatsu were observed in this study. Since the results may have been affected by fluctuations in sex hormones, in future studies a detailed analysis that takes sex hormone fluctuations into account would be desireable.

Keywords: abdominal shiatsu treatment,salivary amylase,heart rate,blood pressure,subjective symptom questionnaire ,adult female


I.はじめに

 近年、女性の生活は、多様な変化を遂げ、家庭環境及び職場環境において多くの女性が様々なストレスに曝されながら生活をしており1)、ストレス因子が与える生理的、心理的な影響による健康被害が懸念されている2)
 このような背景から、ストレスケアを目的として補完代替医療である手技療法への関心が高まっている3)。女性のストレスケアを目的とした手技療法の有効性は、フットマッサージ4)、ハンドマッサージ5)6)を用いた例などで複数報告されている。
 指圧療法においては、全身指圧により心理的指標が改善した例が報告されているが7)、今回は女性の多様な生活スタイルに取り入れやすいように配慮し、時間的制約及びセルフケアの観点などから、短時間で実施でき、自己施術も容易な腹部指圧20点の有効性について検討を行ったので報告する。

Ⅱ.方法

1.対象

 健康成人女性10名

 平均年齢35.6±13.8歳(±SD)

 無作為割り付けを行い、A班5名、B班5名に振り分けた。

2.場所・期間・環境

 場所:日本指圧専門学校指圧研究室

 期間:2017年7月12日~7月31日
 唾液アミラーゼ活性の日内変動を考慮して8)、実験実施時間は13時30分から15時30分の間と設定した。

 環境:平均気温25.00±0.76℃(±SD)

 平均湿度66.86±4.67% (±SD)

3.評価項目

(1)生理的評価
 唾液アミラーゼ活性を唾液アミラーゼモニター(NIPRO CM-3.1)を用いて測定した。
 血圧、脈拍数をデジタル自動血圧計(OMRON HEM-762)を用いて測定した。

(2)心理的評価
 日本産業衛生学会・産業疲労研究会作成の自覚症しらべ9)を用いて測定した。
 自覚症しらべは25の質問項目からなり、「Ⅰ群:ねむけ感」、「Ⅱ群:不安定感」、「Ⅲ群:不快感」、「Ⅳ群:だるさ感」、「Ⅴ群:ぼやけ感」の5因子構造を持つ。25項目それぞれに、1:まったくあてはまらない、2:わずかにあてはまる、3:すこしあてはまる、4:かなりあてはまる、5:非常によくあてはまる、までのいずれか1つに〇をつける5段階評価方式である。合計スコアが高いほど、疲労感が高いことを示す10)

4.実験方法

 被験者にはあらかじめ実験について十分な説明を行い、同意を得て実験を行った。

(1)実験手順
 指圧刺激による介入を行う場合(以下、刺激群)、被験者に水でうがいをさせ、5分間仰臥位閉眼安静後、1回目の唾液アミラーゼ、血圧、脈拍数測定、自覚症しらべを実施した(計測1回目)。次に、指圧施術を3分間行った直後、2回目の唾液アミラーゼ、血圧、脈拍数測定、自覚症しらべを実施した(計測2回目)。その後、5分間仰臥位閉眼安静後、3回目の唾液アミラーゼ、血圧、脈拍数測定、自覚症しらべを実施した(計測3回目)。
 指圧刺激による介入を行わない場合(以下、無刺激群)、被験者に水でうがいをさせ、5分間仰臥位閉眼安静後、1回目の唾液アミラーゼ、血圧、脈拍数測定、自覚症しらべを実施した(計測1回目)。次に、3分間仰臥位閉眼安静後、2回目の唾液アミラーゼ、血圧、脈拍数測定、自覚症しらべを実施した(計測2回目)。その後、5分間仰臥位閉眼安静後、3回目の唾液アミラーゼ、血圧、脈拍数測定、自覚症しらべを実施した(計測3回目)。
 暴露順の影響を除外するために、刺激群と無刺激群の順番を逆にしたクロスオーバー試験とした。A班は刺激群、無刺激群、B班は無刺激群、刺激群の順番で実施した。繰り返し効果を除外するために刺激群と無刺激群の実施においては1週間以上の間隔を設けた。

(2)刺激方法
 仰臥位にて、浪越式基本指圧の腹部20点を両母指圧にて刺激した。刺激時間は腹部20点を1点圧3秒で3分間繰り返し行った。圧刺激は通常圧法(漸増、持続、漸減)にて、快圧で行った11)

5.解析方法

 刺激群、無刺激群それぞれで、計測1回目、計測2回目、計測3回目のデータ各間で対応あるt検定(Bonferroni 補正)を行った。
 有意水準は危険率5%未満(p<0.05)とした。

表1.生理的項目計測値一覧
表1.生理的項目計測値一覧

図1.生理的変化
図1.生理的変化

Ⅲ.結果

1.生理的変化

 生理的変化を表1、図1に示した。
刺激群、無刺激群ともに、唾液アミラーゼ、血圧、脈拍数に有意な変化は見られなかった。

2.心理的変化

 心理的変化を表2、図2に示した。
 刺激群、無刺激群ともに、有意な変化は見られなかった。

表2.心理的項目計測値一覧
表2.心理的項目計測値一覧

図2.心理的変化
図2.心理的変化

Ⅳ.考察

1.生理的変化

(1) 唾液アミラーゼ
 唾液アミラーゼは、HPA(視床下部―脳下垂体―副腎系)、あるいはSAM(交感神経―副腎髄質系)の活性化に伴って分泌が増加するため、ストレス負荷に対するバイオマーカーとして用いられる12)
 これまでに健常成人を対象とした前頸部指圧によって唾液アミラーゼが指圧5分後に有意に減少することが報告されており13)、この結果から、前頸部指圧は抗ストレス作用を有することが示唆される。
 本調査では、同じ指圧療法による腹部指圧(20点)の有効性について調査を行ったが、同様の結果を示すことができなかった。理由としては、今回、対象者が女性であったため、女性ホルモンが唾液アミラーゼ活性に影響を与えた可能性が推察される。唾液アミラーゼは副交感神経が優位になる卵胞期と比較して、交感神経が優位になる黄体期に活性が高まることが報告されており14)、女性ホルモン分泌は、加齢とともに個体差が大きくなり、全体的に減少傾向を示す15)。本調査においては、対象者の月経周期並びに年齢的要素において、区分けを行わなかったため、これらの因子が影響し、唾液アミラーゼ活性に変化がみられなかった可能性が考えられる。

(2)循環動態
 これまでに健常成人を対象とした腹部指圧によって、血圧及び脈拍数が有意に減少することが報告されている16)17)。この結果から、腹部指圧による全身的な影響として、延髄の心臓中枢を介した上脊髄性の反射による心臓副交感神経亢進作用並びに心臓交感神経抑制作用の両方またはどちらか一方の作用が示唆される。
 しかし、本調査では同様の結果を示すことができなかった。今回、対象者が女性であったため、唾液アミラーゼ活性と同様に、女性ホルモンが循環動態に影響を与えた可能性が推察される。女性ホルモンによる循環動態への影響として、エストロゲンには血管拡張による血圧低下作用、プロゲステロンには心拍数の増加作用並びに血管収縮による血圧上昇作用があることが知られている18)。よって、本調査においては月経周期の影響により、循環動態に変化がみられなかった可能性が考えられる。

2.心理的変化

 女性ホルモンとストレス反応について、女性ホルモンであるエストロゲンには、ストレス負荷によって交感神経系が活性化された際に分泌されるノルアドレナリンの最終産物であるMHPG(3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol)を低下させる作用、並びにHPA(視床下部―下垂体―副腎皮質系)の反応抑制作用を有することが報告されている19)。月経周期別の疲労感は、副交感神経が優位になる卵胞期と比較して、交感神経が優位になる黄体期に感じやすい傾向であることが報告されている20)
 これらのことから女性のストレス反応は、エストロゲンの作用により男性と比較して低い傾向にあること、並びに月経周期により影響を受けることが示唆される。よって、本調査においては対象者の性別特性及び月経周期の影響により、心理的変化がみられなかった可能性が考えられる。
 また、実験手順において、安静閉眼後に行うアンケート調査の介入が、心理的障壁となり、結果に影響を与えた可能性も推察される。
 今後は対象者の性ホルモン動態並びに実験手順を考慮した詳細な検討をする必要があると考える。

Ⅴ.結語

 成人女性を対象とした腹部指圧(20点)の効果について以下のことが明らかになった。

 1.生理的変化はみられなかった。

 2.心理的変化はみられなかった。

 実験結果には性ホルモン動態の影響が推察されるため、今後は対象者の特性に考慮した詳細な検討が望まれる。

Ⅵ.謝辞

 本調査に対してご指導いただいた金子泰隆先生、大木慎平先生をはじめご助言をくださった先生方、実験にご協力いただきました本校学生の皆様に心より感謝いたします。

参考文献

1)厚生労働省HP:平成28年度版 働く女性の実情,http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/josei-jitsujo/16.html
2)女性労働協会HP:働く女性の健康に関する実態調査結果:http://www.jaaww.or.jp/about/pdf/document_pdf/health_research.pdf
3)今西二郎:医療従事者のための補完・代替医療,金芳堂,2009
4)米山美智代 他:生理的、心理的ストレス指標からみた健康な成人女性に対するフットマッサージの効果,日本看護技術学会誌8(3);p.16-24,2009
5)佐藤都也子:健康な成人女性におけるハンドマッサージの自律神経活動および気分への影響,山梨大学看護学会誌4(2);p.25-32,2006
6)大川百合子 他:健康な成人女性に対するハンドマッサージの生理的・心理的反応の検討,南九州看護研究誌9(1);p.31-37,2011
7)大木慎平:全身指圧による心理的影響を測定した一例,日本指圧学会誌4;p.7-10,2015
8)山口昌樹 他:唾液アミラーゼ式交感神経モニタの基礎的性能,生体医工学45(2);p.161-168,2007
9)産業疲労研究会HP:自覚症しらべ
10)瀬尾興彦:新版「自覚症しらべ」調査票の利用にあたって,労働の科学57(5);p.45-46,2002
11)石塚寛著:指圧療法学,国際医学出版,2010
12)井澤修平 他:唾液を用いたストレス評価―採取及び測定手順と各唾液中物質の特徴―,日本補完代替医療学会誌4(3);p.91-101,2007
13)衞藤友親:前頸部指圧による抗ストレス作用―唾液アミラーゼ変化より考察―,日本指圧学会誌5;p.19-23,2016
14)喜多村尚 他:女子大生の月経周期における唾液分泌反応の日内変動,日本栄養・食糧学会誌63(2);p.79-85,2010
15)内田さえ 他:生理学 第3版,医歯薬出版
16)小谷田作夫 他:指圧刺激による心循環系に及ぼす効果について,東洋療法学校協会学会誌22;p.40-45,1998
17)井出ゆかり 他:血圧に及ぼす指圧刺激の効果,東洋療法学校協会学会誌23;p.77-82,1999
18)山本真千子 他:正常性周期における自律神経活動の変化,日本不整脈心電図学会誌22(6);p.626-632,2002
19)山田茂人:ストレス反応の男女差,精神神経学雑誌112(5);p.516-520,2010
20)大平肇子 他:卵胞期・黄体期における疲労感および精神負担感,人間工学52;p.156-157,2016


【要旨】

成人女性における腹部指圧の生理的・心理的効果
菅谷 愛

 本研究では成人女性における腹部指圧(20点)が与える生理的・心理的効果について調査を行った。生理的評価には唾液アミラーゼ及び循環動態(血圧、脈拍数)を指標に用いた。心理的評価には自覚症しらべ(産業疲労研究会作成)を指標に用いた。

 実験の結果、指圧による生理的・心理的変化はみられなかった。結果には性ホルモン動態の影響が推察されるため、今後は、性ホルモン動態を考慮した詳細な検討が望まれる。

キーワード:腹部指圧、唾液アミラーゼ、心拍数、血圧、自覚症しらべ、成人女性